お客様との絆

カスタマーフレンドとお客様の「絆」物語 エピソード01. 今日も生きとる ただいま留守にしております。後ほどおかけ直しください。

私がそのお客様と出会ったのは去年の夏、ちょうど七夕の日でした。
2ヵ月間の研修を終えて現場に配属されて1ヵ月ほど。まだまだ慣れないことも多く、お客様と会話するのもやっと、何を話したらいいのかもわからないこともよくありました。いつもどおり飲みごたえ野菜青汁の新規のご注文のお電話を受けました。新規のお客様は商品のご説明をするのに必死で緊張します。
青森県にお住まいの田中様という男性のお客様でした。お歳はなんと90歳。お耳が遠いらしく、こちらの説明がほとんど通じず、正直、商品のご説明をするのは難しいと感じていました。それでもご自身のお名前とご住所をハキハキしたお声でお話されていて、「なぜ当社の青汁を飲みたいと思われたんですか?」とお尋ねすると、元気いっぱいのお声で「長生きしたいから!」とお答えいただきました。
それならと思い、もちろん続ける事もご提案しましたが、案の定説明が通じず、「1箱送って!」とそれだけ仰りお電話を切られました。
なんとか気に入ってもらえたらいいなぁと思い、お届け日の翌日から何度かお電話をしてみましたがお出になられず、今日もご不在なのかなぁと思いながらかけた3回目のお電話で受話器が上がり、娘様がお電話に出られたのです。「お届けの確認で…」とお伝えすると娘様が「見慣れないものが置いてあると思ったんですけど、これって父が自分で注文したんですか?」と聞かれ、とたんに私は不審がられていると思ってしまい、ご本人様からご注文いただいた経緯をお伝えすると娘様はとても驚かれた様子で「もう耳が遠くて普段から電話にも出ない父が自分で電話したなんてびっくりしました」と。
まだ焦っていた私は何か伝えなきゃと思い「長生きしたいから飲みたいと仰っていましたよ!」とお伝えすると娘様は「そんなこと言ってたんですか?父がまさか長生きしたいと思っているなんて思いもしなかったなぁ。父は自分の気持ちを表に出すような性格じゃないし、ましてや私たち家族には思っていることなんて全く言ってくれないんですよ。でも今日は父の前向きな言葉が聞けて良かったです。それで青汁飲もうとしてるんですね~!」と嬉しそうに仰いました。
そのお言葉を聞いて私はとても嬉しい気持ちになりました。それと同時に、田中様がどれほどの思いで1箱の青汁を注文するためにお電話いただいたのか、そして家族の思いに触れ、こみあげてくるものがありました。
そして娘様は田中様のことをいろいろ教えてくださいました。田中様は直腸がんを患って腸を摘出されているため、お腹から管を通して排泄をする人工肛門なのだそうです。冷たいものを摂ることができず、水分の摂りすぎも良くないそうです。食事は制限があり、何かと家族や周りのサポートが必要とされる病気なのだそうです。
娘様は、お父様が「これ以上家族に迷惑をかけないためにも少しでも健康になれるように」と青汁を注文したのではないか、人知れずそんな思いをしているのか、とお父様への思いを持っていらっしゃるのではと感じました。
私は負担がないような青汁の飲み方と続けることの案内をしてその電話を終えました。
電話を切ったあと、どうか田中様には長生きしてほしい!という思いと、家族に言わないようなことを私を通して伝えられたことが嬉しくて、幸せな気持ちになりました。
2週間後、田中様がその後青汁を飲んでいただいているか気になりお電話したところ、また娘様がお電話に出ていただき、「あまりにも青汁気に入って1日に3つも4つも飲むから1日2つまでよ!って決めて毎日飲んでるんですよ」とのこと。商品を気に入っていただけたことも嬉しいですが、青汁を通して家族のやりとりが見えたことが私は一番嬉しかったです。
挿絵 今も田中様は青汁をお続けいただいています。
その後も時々お電話しますが、お電話に出られるのは娘様で、実は田中様とお話ししたのはご注文のときの1回きり。
よほどお電話は難しいのだと思います。田中様には青汁を飲むことを毎日の楽しみにして、長生きして欲しいです。
この思いを直接お伝えするために、今度お手紙を書いてみたいと思います。

株式会社エバーライフ 「お客様との絆」一覧に戻る 実話をもとに登場人物は仮名に変更しております。

ページTOPへ